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2022年9月22日 (木)

自動空気ブレーキと制御弁 ④ F三動弁

F三動弁

【概要・開発】

WH社が開発した、貨物用・入換用機関車の炭水車のための三動弁。
1903年より前に開発され、それまでのF-24単純三動弁やG-24三動弁に取って代わった ※1

【構造】

全体は縦長で、上部にピストン、下部に度合弁がある。

F1-triple-valve ※1

2. 本体  3. シリンダ蓋  4. 蓋ナット  5. ピストン  6. 滑り弁  7. 度合弁  8. 度合棒  9. 度合弁バネ  10. 度合弁棒ナット  11. シリンダ蓋ガスケット  12. ピストンリング  13. ボルトとナット  14. 滑り弁バネ

 

【種類】

6・8・10インチ ブレーキシリンダ用の F-1 と、12・14・16インチ ブレーキシリンダ用の F-2 がある。

【作用】

常用ブレーキ、非常ブレーキともブレーキ指令の伝達を促進する機能(急ブレーキ作用、急動作用)を持たないため、「単純三動弁」(Plain Triple Valve)と呼ばれる。機関車用で、自分がブレーキ指令を行う立場だからであろう。

  1. 弛め込め位置
    ブレーキ管からの圧力空気はピストンを押し上げ、弛め位置に移動させる。すると込め溝が開き、ブレーキ管からの圧力空気は補助空気溜に込められる。同時にブレーキシリンダと排気ポートが連絡され、ブレーキが弛む。

  2. 常用位置
    ブレーキ管を減圧するとピストンが下がり、補助空気溜からブレーキシリンダへ圧力空気が流入し、ブレーキが掛かる。

  3. 重なり位置
    ブレーキ管の圧力が補助空気溜の圧力よりわずかに高くなると、ピストンを再び上方に動かし、空気通路を全て閉じる。ブレーキ管を更に減圧すると、ブレーキをより強く掛けることができる。

  4. 非常位置
    ブレーキ管を急激に減圧すると、ピストンも急速に下がって度合弁を開く。これにより補助空気溜よりブレーキシリンダへの大きな通路が開き、急速に圧力空気が送られる。但し常用ブレーキに比べてブレーキシリンダへの給気が早くなるだけで、常用位置よりも高い圧力を得られるわけではない。

【適用ブレーキ方式・車種】

AMF:

簡易な自動空気ブレーキ装置として、日本では主に私鉄向けの小型電気機関車や電動貨車に採用された。資料的に確認できる車両では、名古屋鉄道(←愛知電気鉄道) デキ370・デキ400 ※10 がある。

 

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